エイプリルフールの由来・ルーツを徹底的にリサーチ!

生活

 

4月1日、エイプリルフールとして日本でも有名になりましたが、その由来は様々。

そこで今回はエイプリルフールの由来、ルーツについて徹底的にリサーチしました。

調べてみると意外な事実が出てきたので、ぜひ参考にしてください!

 

エイプリルフールの由来① フランス「嘘の新年」

 

エイプリルフールの由来として最も有力な説として知られるのが、フランスのシャルル9世に関連した「嘘の新年」

当時4月1日がフランスの新年であり、人々はとても大切な日として4月1日をとらえていました。

1654年フランス国王のシャルル9世は、1月1日を新年とするグレゴリオ歴を採用しました。

それに反発したフランスの人々が、4月1日を「嘘の新年」と名付け、盛大にバカ騒ぎをしたそうです。

 

シャルル9世とは?

 

ヴァロア朝第12代王として、1560年から1574年フランスを治めていました。

もともと病弱であったシャルル9世は、父親のように慕っていたコリニー提督の暗殺をきっかけに「全員殺せー!!」と叫ぶほどまでに心を病んでしまいました。

この事件のせいかシャルル9世は、2年後若くしてこの世を去っています。

威厳のあるフランスの王というタイプではなく、情緒が不安定な印象を受けるためフランス国民の反対を押し切ってまで歴の改変を強行したのかもしれません。

 

嘘の新年 4月1日

 

もとより4月1日はキリスト教マリアへの受胎告知の祝日として、フランスには新年に贈り物を交換しあう風習がありました。

それが1564年、シャルル9世によって1月1日を新年に設定されてしまったのです。

ちなみに1月1日を新年とする歴(グレゴリオ暦)は、ローマ教皇であるグレゴリウス13世が1582年世界中に広めることになり、現在の日本でも採用され一般的な常識として認知されています。

しかし、この改暦に反対する人たちがいたのも事実。

当初の4月1日こそが本当の新年だ!!

そこから1月1日を新年と認めた人たちに対し、当時の風習になぞらえて嘘の贈り物を送るようになったのです。

つまり嫌がらせですね。

新たに1月1日=新年と決めたイギリスにとっては、やめてくれ~と泣きたくなるほどのバカ騒ぎだったそうです。

それが要因で4月1日=嘘という文化がフランスで根付くことになりました。

 

ポワソン・ダヴリル 4月の魚

 

現在、フランスでは4月1日のことをエイプリルフールではなく「ポワソン・ダヴリル」と呼んでいます。

ポワソンが魚で、ダヴリルが4月なので、「4月の魚」という意味。

なぜ魚が使われているかというと、キリスト教にとって4月1日は肉食が禁じられている最後の断食の四句節に当たります。

贈り物として魚は四句節では重宝されたため、1月1日=新年を反対する人たちは肯定派の人に対して、4月1日に魚を送ること(嘘の贈り物)で抵抗しました。

そのため、4月1日は現実を受け入れない人たちの日として人々に浸透し、「4月の魚」が誕生したというわけです。

 

「4月の魚」の定番はサバ。

1月1日=新年に抵抗した人たちが贈った魚として、定番になったのがサバです。

なぜサバかというと、当時サバは4月になると簡単に釣ることが出来ることから、あまり利口ではない魚として定着していました。

1月1日を新年として祝っている人たちなんて利口じゃない。

だから4月1日にサバを贈って馬鹿にしてやれ♪

ということになったんですね。

なんとも大人げない抵抗の仕方ですが、そのあたりはプライドを重視するフランス人の国民性を表している気がします。

 

エイプリルフールの由来② 古代ローマ「サートゥルナーリア祭」

 

フランスの「4月の魚」説に続いて、由来として有力なのが古代ローマでのお祭りです。

このお祭りでは、1日だけ主人と使用人が身分を入れ替えるといった斬新なテーマでバカ騒ぎをして遊んでいたようです。

いかにも陽気なローマ人らしい発想のこのお祭りがおこなわれていたのが、4月1日。

4月1日は嘘の身分で楽しむ。

このことから4月1日は嘘をついても許される、という風に解釈が変わっていきました。

 

「サートゥルナーリア祭」古代ローマのお祭り

Wikipediaより引用

 

お祭り好きな古代ローマの歴史の中でも、盛大に行われたこの「サートゥルナーリア祭」

大きな特徴としては、奴隷とその主人がこの日だけ表面上の役割を入れ替えて振舞ったということ。

紀元前217年ごろ、第二次ポエニ戦争でローマ軍がカルタゴ軍に惨敗したことから、市民の士気をあげることが目的だったようです

それが市民にバカうけして、ローマの中でも盛大な祭りの一つに成長していきました。

この日だけは奴隷も主人に口答えをしても罰せられず、奴隷も宴会に加わって、主人が給仕をして祭りを楽しみました。

陽気なローマ人の心をつかんだこの「サートゥルナーリア祭」は長年にわたって開催され、エイプリルフールのルーツとして知られるようになったのです。

 

「サートゥルナーリア祭」開催日は12月17日~!?

エイプリルフールの由来として有力なこの「サートゥルナーリア祭」ですが、

記録によると開催されたのは4月1日ではなく、12月17日~12月23日であるとされています。

開催が4月でもなければ、特定の日付ではなく1週間ほどの期間で開催されていました。

なので祭りが直接、エイプリルフールに変わったとは言えないのが事実です。

ただ、この日だけは嘘の自分を演じるという内容は、エイプリルフールに近いモノがあるので、由来の一つになったと考えてもいいでしょう。

 

エイプリルフールの由来③ インド「揶揄説(やゆせつ)」

 

昔のインドでは、修行僧が春分から1週間、過酷な悟りの修行を行っていました。

3月25日~31日まで座禅を組み、修行が終わるのが4月1日。

せっかく悟りの境地に達したのに、修行が終わると現世に戻ってきてしまうことがばかばかしいと僧たちの間でこの修行が、笑いの種になっていたそうです。

また修行が明けた4月1日を「揶揄説(やゆせつ)と呼び、僧たちは人に無駄なお使いを頼んで走らせることを面白がっていました。

当時のストレス解消ですね。

このからかいの行事がヨーロッパに広まったことが、エイプリルフールの由来ではないかと言われているのです。

死の境地までいったのに、終わってしまえばすぐ現世に戻ってくる。

それをばかばかしい、と笑いあえるお坊さんってすごいです。

 

エイプリルフールの由来④ イギリス「オークアップルデー」

 

「エイプリルフールで嘘をついて良いのは午前中だけ」

そんな噂を聞いたことありませんか?

イングランドの王政復古記念日である「オークアップルデー」

5月29日に行われるこの祭典では、国王に忠誠を誓う証としてオークアップルを身に着けることが人々の間で定着していました。

そんな中、オークアップルの実をつけずに道端でボーっと立っている人は、からかわれ馬鹿にされたんですね。

しかし、祭典は午前中で終わるので、午後オークアップルの実をつけなくても馬鹿にはされません。

ここから馬鹿なこと(fool)は午前中だけ。となったのです。

このルールが大陸を渡り、エイプリルフールにも使われるようになりました。

 

イギリス王政復古記念日「オークアップルデー」

 

西暦1660年、イギリス革命によって共和制が倒れ、ステュアート朝の王政が復活したことを王政復古といいます。

それを記念して、イギリスでは5月29日を「オークアップルデー」と設定し祝日としました。

オークアップル[oak apple]とは、ここでは「樫(かし)の実」のことで、日本でのドングリ的なものと認識している人も多いようですね。

当時イギリスでは、この樫の実や樫の葉を身に着けることが王への忠誠を意味していました。

 

エイプリルフールの由来⑤ その他

 

これまでエイプリルフールの由来として有力なもの4つあげました。

しかし、これら以外にも由来として言われているものがまだまだあります。

そのなかのいくつかを最後にご紹介します!

 

①キリストの命日

 

あまり知られていませんが4月1日とはキリストの命日です。

キリストがユダに裏切られた(嘘をつかれた)事実を忘れないために、4月1日をエイプリルフールとして信者が作ったと言われています。

しかし、エイプリルフールのフールとは馬鹿という意味

これではユダに裏切られたキリストを信者が馬鹿にしていることになるので、この説はあまり有力ではありません。

 

②ノアの箱舟

 

こちらもキリストに関係しています。

聖書でも有名なノアの箱舟。

洪水で陸地すべてが海になった世界で、ノアは陸地を探すためにハトを飛ばしました。

しかし飛ばされたハトは何も収穫を持たずノアのもとに戻ってきました。

ノアは「あ~無駄なことをした日だった。」とハトを飛ばしたことを後悔しました。

そして、ハトがノアのもとに戻ってきた日付が4月1日だったので、4月1日=無駄なことをさせられる日が世界中に広まったというわけですね。

 

③「不義理の日」 日本

 

江戸時代、4月1日は日本人は「不義理の日」として認知されていました。

これは日ごろ、義理を欠いていた(不義理)ことを手紙でお詫びしようというもの。

不義理には、嘘をついていたことだけでなく、お金を借りていたのに返していないことも含まれます。

これが大正時代に入ると、4月1日が嘘をついて良い日として変化して、今のエイプリルフールになったと言われています。

もとは日ごろの嘘を謝る日であったにもかかわらず、嘘をついても良い日と全く逆の解釈になったのは面白いですね。

 

まとめ

以上が『エイプリルフールの由来を徹底的にリサーチ!』の記事となります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

エイプリルフールの由来は諸説あり、世界中にルーツをもっています。

日本の「不義理の日」や、フランスの「4月の魚」など、国が違えどユーモアが詰まった由来がほとんどです。

ひとつのイベントと捉え、節度をもってお互い笑いあえる。

エイプリルフールをそんな一日にすることで、みんなで楽しめたらいいなと思います!

 

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